格安鉄道旅の心得(こころえ)

「旅はなるべく安く、でも使うべきところはケチらず快適に」がモットーの格安旅の鉄人・管理人Pが、安くて楽しい鉄道旅のポイントを伝授いたします

1:移動そのものを楽しむ、自分で楽しみを見つける

我々乗り鉄の偉大なる先駆者である文学者、内田百閒先生は鉄道紀行文学の嚆矢「特別阿房(あほう)列車」の書き出しで「何も用事が無いけれど汽車に乗って大阪へ行ってこようとおもふ」とつづり、コラムの達人とうたわれた山本夏彦氏もまた、「旅は目的地に着くまでの過程がすでに旅である」と言いました

通り過ぎる車窓から自然あふれる景色、駅、列車、街並みやゆかりの古跡に思いを馳せ、時には途中下車をして駅前をそぞろ歩くなど、自分で楽しみを見つけるのが乗り鉄の極意です

テーマパークなどの娯楽は受身で楽しませてくれる代わりに与えられるサービスに対価を払わなければなりません、でも自分で楽しみを見つければ最低限の出費で済みますよね

管理人Pが格安な旅をおすすめする理由は私自身のケチ、貧乏、セコいという資質に拠るものでもありますが、何より無駄な出費を抑えなるべく安く、快適にという縛りの中で自分で旅程を立て、自立した旅をすることこそ旅の本質であり最大の面白さであると思うからです。ここを他人任せにしてしまうのはもったいないですよ

2:夜はなるべく移動しない

夜間は車窓が楽しめず退屈です、移動と宿泊を兼ねる夜行列車は便利ですが、ムーンライトながら等の一般座席での就寝は窮屈な姿勢を強いられてとても疲れますし、寝台列車も結構揺れる上にお風呂の広さや食事も制限があってそこまで快適ではありません、料金もかなり割高です

早めに街に着いてホテルの広々としたベッドとお風呂で疲れを癒し、次の日に備えて英気を養うほうが充実した旅行を楽しめるでしょう。旅情ある夜行列車に乗ることそのものが目的の場合はその限りではありませんが

3:長時間乗車時の座席の座り方

18きっぷや北東パスなどを利用した格安旅行でのメイン移動手段である普通・快速列車の座席にはほとんどの場合リクライニング機能が付いておらず、長時間の乗車を強いられる場合は特に腰の部分に負担がかかり疲労がたまります

そのような負担を軽減するためのおすすめアイテムが腰枕です、専用の腰枕がなくてもクッションや100均一ショップに売っている空気枕で十分代用できます。腰と座席の間の隙間を枕やクッションでピッタリ埋めれば驚くほど負担を軽減できます

腰枕や代用品が無い場合は、飛行機の客室乗務員さんがしているような深く正しい姿勢で腰掛けて、隙間をなくしましょう。実はリクライニングを倒しすぎると適切な位置で体を固定するのが難しく、かえって隙間ができて腰の負担が大きくなります

4:無理な乗り継ぎは避ける。休憩箇所を設ける

東海道本線を西向きに移動する際の熱海駅など、15両の長大編成から最悪3両短編成への乗り換えが発生します。席が確保できそうもない場合は一本遅らせて次の列車を待つのも有効な手段です、本数の多い路線なら少々待てばじきに次の列車がやってきます

ローカル線など本数の少ない路線で次の列車が1~2時間後という場合は、いっそ食事・休憩箇所として一旦改札を出るのもいいです。その土地ならではの名物に舌鼓を打つのも良し、駅の近くに銭湯や温泉があるならゆったり汗を流すのも良し、途中下車こそが旅の醍醐味なのですから

5:ロングシート車両はなるべく避ける

ロングシートとは地下鉄の車両の座席のように、一列の長い椅子に進行方向に対して横向きに座るタイプの座席のことです

これだと列車が加減速するたびに衝撃を背もたれで吸収できない横向きにGがかかって疲れますし、なにより車窓を楽しむことも、他人の眼が気になってお弁当を開くこともできません

ロングシート車両を回避するには、クロスシートやボックスシート車両に乗る、ロングシートしか走っていない路線を避ける、最終手段として新幹線・特急列車等でワープする(ワープについては後述)などの方法がありますが、東北の秋田・一ノ関以北、紀勢本線、静岡など、どうしても回避しづらいエリアもあります

6:ワープを活用しよう

ワープとは18きっぷ愛好者の用語で、特定の区間で特急列車や新幹線を利用して移動することです

もちろん18きっぷではそれらの列車に乗れませんので別途乗車券・特急券が必要ですが、列車本数が少ない区間や時間短縮効果が見込める場合などにこれを利用するのもひとつの手段です

何が何でも18きっぷだけで乗りとおすという縛りで旅をするのも有りですが、どこの区間でワープを使えば効果的に移動できるか、研究してみるのも楽しいものです

コツとしては同じ乗車区間での単純な比較ではなく、その先の乗り継ぎを含め目的地までの時間短縮効果を見ることです、ワープして次の乗り換え駅に5分早く到着するだけで、最終目的地まで2時間以上早く着ける場合もあります

7:乗り得列車を利用して、安い追加料金で快適に移動する

全国各地に乗り得列車と呼ばれる追加料金不要、または安い追加料金で乗れる普通・快速列車が存在します。18きっぷなどのフリーきっぷは普通・快速列車に乗り放題ですので、これらの列車に指定券や自由席グリーン券を購入するだけで快適に移動できます

18きっぷ+指定券で乗れる著名な列車は夜行のムーンライトながら、きらきらうえつ、ホームライナー浜松3号、リゾートしらかみ、ノロッコ号などがあります、これらの列車については別の記事で詳しくご紹介いたします

8:お得なきっぷを利用する

こちらも有名な18きっぷを始め、全国各地のJR、私鉄各社に北海道・東日本パス、四国バースデイきっぷ、JR九州二枚、四枚きっぷ、近鉄全線フリーパスなどさまざまなきっぷが存在します

これらを利用すれば格安に旅行を楽しむことができますので、是非活用しましょう。こちらも別ページでご紹介いたします

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