乗り鉄Pの日本全国ぶらり途中下車のススメその17「徳島県・阿波池田駅」駅周辺観光、グルメ、旅行記ブログ「かつてタバコ産業で栄えた四国の交通の要衝、阿波池田の情緒ある町並みを散策」

もくじ

「四国のへそ」阿波池田駅

駅前アーケードを抜け、うだつの上がった旧家が並ぶ本町を散策

たばこ資料館へ。展示物もさることながら建物が素晴らしい

「阿波池田駅」私的評価

「四国のへそ」阿波池田駅

阿波池田駅に到着です、池田といえば1980年代に甲子園を席捲した蔦監督率いる池田高校が有名です。金属バットをフルスイングしホームランを量産した打線は「山びこ打線」と呼ばれましたが、その名のとおり阿波池田駅は四国山地の中央の山間いに位置するのどかな駅です

3面5線の広大な敷地を有し、ここから岡山・高知・徳島方面に線路が分岐しています。阿波池田駅は四国の鉄道における重要な乗換駅のひとつです

阿波池田駅舎です。この駅の住所の「サラダ」という地名は全国屈指の珍地名として知られています。池田町の地名はほかにも「ウエノ」「シンマチ」などカタカナ地名が多くあります。漢字で書くと「更田」「上野」「新町」となるようです

駅前交番前にて発見。なつかしいですねーこの白いポスト(笑)

駅に隣接する「へそっこ公園」です。阿波池田は「四国のへそ」「四国の辻」と呼ばれ、古来交通の要衝として栄えました

土佐の戦国大名「長宗我部元親」は当地に白地城を建て、この城を拠点に四国の他の地に兵を繰り出し、四国統一を成し遂げました。戦略的にも重要な場所だったんですね

駅前アーケードを抜け、うだつの上がった旧家が並ぶ本町を散策

駅前から伸びる商店街を抜け、市街中心部に向かいます。道路の上をアーケードが覆っているのは珍しい

「昭和」を感じさせる店舗がちらほらと。老人人口の多いこの土地ではカセットテープもまだまだ現役のようです

アーケードを抜け本町通りに出ました。庚申神社は日本神話で天照大御神の道案内をつとめた猿田彦を祭る神社です。四国の交通の交差路であるこの地にあるのはなんともふさわしい

昔の消火栓が。まだ使えるのかな?

本町通りに出ました。石畳の敷かれた道に旧家が立ち並ぶ瀟洒(しょうしゃ)な通りです

家の二階と三階の間に挟まっているこの小さい柱のような造りは何でしょうか

これは「うだつ」と言って、元来は隣家との防火壁だったものが後に建物の装飾に変わったものなんですね、この「うだつ」を作るには相応の財力が必要で、裕福な家の象徴になりました

いつまでたっても出世しない人のことを「うだつが上がらない」という時の「うだつ」はこの部分のことだったんですね

家の軒先に吊るされている人形?のようなもの。あちこちの家にぶらさがっていました。なんかのおまじないでしょうか?

この本町通りの中ほどにあるのが、かつて「攻めダルマ」の異名を取った池田高校の名物監督、故・蔦文也さんの実家です。しっかりうだつが上がっているみごとなお家ですね

家の背後には池田高校野球部の寮があったようで、今でもその名残が見られます。阿波池田の名前を大いに全国に知らしめた池田高校野球部の生徒に対しては食事を安く提供する食堂があったり、銭湯には専用のロッカーがあったりと、市民による町ぐるみの支援が今でも続いているそうです

実はこの本町通りのうだつの上がった建物はどれもこの土地の特産品だったタバコで財を成した商家のものなんですね、それでは本町通りにあるタバコ資料館に行って見ましょう

たばこ資料館へ。展示物もさることながら建物が素晴らしい

たばこ資料館の外観です。タバコで財を成した旧真鍋家を改装したものです。この建物のうだつも立派ですね

「阿波池田たばこ資料館」営業時間:9時~17時 定休日:毎週水曜と年末年始 入場料金:320円(学割あり)

受付を済ませ、書院造の廊下を渡って展示館に向かいます、廊下に展示してある昔のタバコのなつかしいポスターの数々。カメラを構えてる管理人Pがしっかり写りこんでしまってるのはご愛嬌

受付兼館長さんは丁寧に資料館のガイドをしてくれるのでお話をうかがうだけでも楽しいです

資料館本館に着きました。ここからは音声ガイドがあるので再生ボタンを押して耳を傾けながらゆっくり展示を見て回ることができます

むかしの喫煙具の数々

刻みタバコの葉をつぶす機械

タバコの葉ってこんなに大きいものなんですね

タバコのパッケージ。敷島、朝日など戦前のものまで揃っています

資料館は地域の子どもの学習支援教室も兼ねており、ここで教室が開かれているようです

建築の研究家もたびたびここを訪れるという本物の合掌造りの立派な屋根。こんな素晴らしい環境で勉強できるなんて、しあわせですね!

資料館から受付に戻る前に、これまた立派な書院造の離れに寄り道してみましょう

跳ねわたりという造り。遊び心があって楽しい

建物内部です、みごとな装飾の施された欄間や室内、回廊から見える庭も立派で、当時のタバコ産業の羽振りの良さがうかがえますね

ちなみにこの建物も地域のご婦人方のお茶会などの集りに現役で利用されているそうです

受付に戻ると館長さんが天然刻みタバコのキセルを一本すすめてくれます。あいにく自分はタバコは苦手なので代わりに吸うところを撮影させてもらいました

鮮やかな手つきでマッチをすり、軽くスパスパふかしてからじっくり吸い込みます。吸うというより喫(の)むということばがしっくりくるような見てて惚れ惚れする堂に入りようです

タール分はほとんどないけどニコチンの量が多いので、どんな愛煙家でも一回吸うと12時間はタバコを吸いたくなくなるんだとか

不思議なのは、まったく煙が気にならないことです。タバコの煙は子供の頃からかなり苦手で、隣で吸われるとすぐ席を外す自分ですが、ノドがイガイガしない上に嫌なケミカル臭が全くしません。それどころかいい芳香だとすら感じました。混ぜ物なしの天然タバコはやはり違うものなんですね。愛煙家の方はこのキセルを味わうためだけに訪れる価値があると思います

受付の建物の2階に展示されていた徳島方言番付です、徳島方言はこれで覚えよう!(笑)タバコ資料館を後にした頃にはとっぷり日が暮れかけていました

最後にどうしても寄りたかった池田高校。甲子園で有名になった校歌に出てくる「上野が丘」はなかなかに急な坂でした、こりゃ足腰鍛えられるわ、池田山びこ打線の秘訣はこれだな

「阿波池田部駅私的評価」(10点満点)

補足説明

駅への到達難易度:近隣の空港・大都市・新幹線駅からのアクセス

駅の雰囲気・設備:駅の利便性や駅舎の歴史的価値、芸術性など

駅周辺の利便性:駅から繁華街までのアクセス、駅周辺の商店やホテルの充実度など

グルメ:その土地ならではのグルメの充実度、レストランの数、選択肢の多さなど

自然:駅周辺の自然環境

駅への到達難易度:☆☆☆☆☆(5点)

岡山、徳島、高知といった主要駅から乗り換え不要。特急列車は全て停車するが普通列車はかなり本数が限られるため普通列車でのアクセスが難しい

駅の雰囲気・設備:☆☆☆☆☆☆☆(7点)

山間いに位置するのどかな雰囲気に囲まれた駅だが、JR四国では高松駅に次ぐ規模の3面5線の広大な敷地を有する

駅周辺の利便性:☆☆☆☆☆☆(6点)

駅と隣接してアーケード付商店街が延びているが人影はまばら。歩いて10分ほどのところにフレスポという大きなショッピングセンターがあるので買い物はそこで大体そろう

グルメ:☆☆☆☆(4点)

食事のできる場所はアーケードにそこそこあるので食べるところには困らない。なぜかお好み焼き屋さんが多い

自然:☆☆☆☆☆☆☆(7点)

四国山地に囲まれたのどかな土地。吉野川のダム湖も美しい

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