乗り鉄Pの日本全国ぶらり途中下車のススメその2「香川県・多度津駅」駅周辺観光、グルメ、旅行記ブログ「四国鉄道発祥の地から猫の島へ」

「多度津駅」私的評価へ飛ぶ

多度津駅前のロータリー「四国鉄道発祥の地」碑から駅正面を望む

多度津駅は讃岐鉄道を前身とするJR四国の鉄道発祥の地です。開業は1889年(明治22年)と全国的に見ても最初期の鉄道であり、高松や松山など他の四国の大都市を差し置いて多度津-琴平間の開業に至ったところから、当時から現在に至る金比羅山に参詣する旅客需要の高さがうかがえますね

2面4線の線路と車両工場への留置線、貨物取り扱いなど広大な敷地を有し、予讃線・土讃線・本四備讃線が交わる場所に位置することから、四国鉄道交通の要衝としてその重要性は現在においても変わることはありません

ちなみに鉄道だけでなく、多度津は少林寺拳法発祥の地でもあります。面壁九年のダルマ大師やカンフー映画の影響でてっきり中国発祥と思っていましたが実は日本発祥だったのですね。開祖の宋道臣さんも日本人です

駅を出て道なりに右手方向に1分ほど歩くと、SLが展示してあります。国鉄8620形蒸気機関車、通称をハチロクといいます

国鉄時代、大宮、吹田、米原、鳥栖、新津など全国で公式に12の町が「鉄道の町」と指定されていましたが、多度津もその「鉄道の町」のひとつ。かつてはSL運転士や車両工場など鉄道職員でにぎわいました。現在はさびれてしまった鉄道の町もあるなか、多度津は現在においても一定の規模を有し、鉄道の町の名に恥じない風格をたたえています

駅を出て左手側にあるのがこちらの赤レンガ造りの給水塔です。国の有形文化財に登録されています。ちなみに給水塔の手前にあるのが構内食堂。現在も元気に営業中です、安さとボリュームでJR職員さんを中心に町の人に愛されている食堂のようです

駅に併設されているウィリーウィンキー。いわゆるベーカリーですがただのベーカリーではありません。こちらはJR四国が直接経営しているベーカリーなんですね。東海・東日本・九州など他のJR各社が副業としてホテルや駅ビル、不動産経営などで派手に稼いでいるなか、台所事情の苦しいJR四国はパン屋さんでほそぼそと鉄道事業の赤字を埋めているわけなのですね、なんと涙ぐましい経営努力。どうでもいいけどTADOTUの「TU」はヘボン式ローマ字だと「TSU」なのでは・・・

「ウィリーウィンキー多度津店」定休日:なし 営業時間6:30~20:00 予算100円~

多度津からネコの島へのフェリーが出ていると聞きつけたので駅から多度津港まで歩いて向います。徒歩20分程度の距離です。道すがらいい雰囲気の大衆食堂を発見。やはり香川県の食堂、うどんはマストアイテムですね

多度津港に到着しました。すでにネコの島行きのフェリーが繋留され出発を待っています。あわてて乗車券を買い、フェリーに飛び乗りました。あぶないあぶない

多度津からネコの島(佐柳島)への運賃は片道680円、1時間弱の優雅な船旅です。時刻表や運行状況は三洋汽船のHPで確認しておきましょう

フェリーの様子。瀬戸内海の短航路フェリーとしてはかなり大きい部類だと思います。到着までテレビを見てすごすのもいいですがせっかくなのでデッキに出てみましょう

出発してまず目を引くのは多度津港に繋留されている巨大なタンカー。かつては多度津港から多度津駅まで線路が延びており四国全域の物流の中心地だったようですが、現在はどうなのでしょう

瀬戸内の島々を眺めながらベンチにて駅前のウィリーウィンキーで購入したパンをかじります。さすがにJR四国が社運を賭けて(?)焼いているだけあってとてもおいしいです。チーズクリームの入ってるトーストが絶品

佐柳島本浦に到着しました。駅前のフェリー待合所にて早くもネコにゃん達がお出迎えです。この島は他の瀬戸内のネコ島と違いエサやりが禁じられていないので、観光客からのエサ目当てで人懐こいネコが特に多い印象です

島全体の地図。佐柳島は瀬戸内に小石のように散らばる塩飽諸島の一つで、幕末に勝海舟の咸臨丸太平洋横断アメリカ航海の際、その高い航海技術を買われて水夫として乗り組みました。この島からも島民が水夫としてアメリカに渡ったようです

ネコの島の注意書き。ゴミは持ち帰りましょう

ちなみにネコだけでなくイノシシの注意書きもあります。実はイノシシは泳ぎが大変うまく、瀬戸内海の島々を泳いで渡る姿がたびたび目撃されています。目的は食べ物というより交尾の相手探しなのだとか・・・やはり人もイノシシも恋人探しには命を賭けるのですね

ネコともしかしたら居るかも知れないイノシシを探して島内を散策してみましょう。港から右手に進んで八幡神社をめざします。さっそく大量のネコにゃん達を発見!

「持ってるんだろ?よこしな」と言わんばかりにスルドイ眼光を飛ばしつつネコが寄ってきます。ポケットに入れていた魚肉ソーセージを差し出して許してもらいました

島内につるされているネコの風船。最近のアニメ事情にうとい管理人はとっさに「あっ、ルナPボールだ」と思ったという

島内を散策すると柵やフェンスで厳重に囲われている畑を発見。やはりイノシシ対策なのでしょう。今にも畑の裏の山から飛び出してきそうな気がして緊張しましたが、さいわいイノシシには出くわしませんでした。若干遭遇したかった気も・・・

港近くの原っぱでネコがにらみあっています。島で暮らしているとネコも知り合い同士ばかりなんでしょうね。仲良くケンカしな

幸い実力行使にはいたらず、にらみ合いで終了。にらみ合いで勝った白黒ネコも肩が凝ったのか伸びをしてストレッチしています。「ま、ワシが本気出したらこんなもんよ」というところでしょうか

港近くの防波堤です、ここにもネコが沢山連なっています

港沖に浮かぶおにぎり形の島を背景にパチリ。撮られ慣れているのか、まるでモデルのようにポーズを決めてくれるネコにゃん達。香箱座りが絵になりますねー

有名な飛びネコポーズは魚肉ソーセージを神社前のネコに全て奪われてギャラが払えず、粘り強く交渉したのですが「ナニ?出すもの出さずにやれと?そんなんどうもこうもなるかいや、キッチリした絵かかんかい」とナニ金ばりにすごまれ、ケンモホロロに断られてしまったのでありますね。皆さんも佐柳島をおとずれる場合は俳優さん達へのおひねりを忘れずに

「多度津駅」私的評価(10点満点)

補足説明

駅への到達難易度:近隣の空港・大都市・新幹線駅からのアクセス

駅の雰囲気・設備:駅の利便性や駅舎の歴史的価値、芸術性など

駅周辺の利便性:駅から繁華街までのアクセス、駅周辺の商店やホテルの充実度など

グルメ:その土地ならではのグルメの充実度、レストランの数、選択肢の多さなど

自然:駅周辺の自然環境

駅への到達難易度:☆☆(2点)

四国の鉄道交通の交差点に位置し、特急列車は全て停車する。岡山からのアクセスも容易で本数とも申し分なし

駅の雰囲気・設備:☆☆☆☆☆☆☆☆(8点)

有形文化財に登録されている給水塔や転車台、駅近くにはハチロクも静態保存されており、歴史的価値の高いSL時代の遺構が数多く残る。ただしホームから出口まで必ず地下道を通る必要があり、エレベータなどもなくバリアフリーへの対応は遅れている

駅周辺の利便性:☆☆☆☆(4点)

大型商業施設はないが駅に付属してベーカリーとコンビニがあるので、旅行者のちょっとした買い物には困らない

グルメ:☆☆☆☆(4点)

さぬきうどんで有名な香川県ということもあり、港近くには製麺所などもある。ただしうどんが目的ならば他の駅に行ったほうがいいだろう

自然:☆☆☆☆(4点)

港までいけば瀬戸内海が見える。塩飽諸島へのフェリーはちょっとしたクルーズ気分

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