もくじ
旅情漂う青森駅のホームと列車
津軽焼干しラーメンはラーメンの純文学だ
津軽海峡フェリーに乗車し、往時の青函連絡船をしのぶ
北海道新幹線で青函トンネルを越え、函館へ
「青森駅」私的評価
旅情漂う青森駅のホームと列車
「上野発の夜行列車降りた時から、青森駅は雪の中」というあまりにも有名な津軽海峡・冬景色の冒頭の一節を思わず口ずさみたくなる雪の青森駅に到着です
青森駅は3面6線の広大なホームを有し、各ホームは橋上の通路で連絡しています。今は人影まばらなこの通路ですが、ここに立つとかつて青函連絡船の接続駅として栄え、沢山の北へ向かう旅人が通りすぎる足音が聞こえてくるようです
青森駅にやってくる列車は国鉄時代の気動車から電車、観光列車などいろどり豊かで見ているだけで飽きません。こちらは津軽海峡線三厩(みんまや)行きのキハ40ですね。ローカル線の旅情が感じられます
第3セクター青い森鉄道の701系電車です。東北地方を旅する18きっぱーの天敵(?)として敬遠されがちな車両ですが、青い森鉄道の701系にはオールロングシートが基本のJR東日本の車両と違い、ボックス席があるのがうれしいですね
ことらはJR東日本のリゾート列車のさきがけとなった観光列車のリゾートしらかみです。日本海の景色を堪能できる五能線経由で5時間以上かけてゆっくり秋田に向かいます
こちらは北海道新幹線の新青森-新函館北斗間開通でお役御免となった特急スーパー白鳥789系0番台です。車体横の「HEAT789」の文字がなつかしい。現在この車両は札幌-旭川を結ぶ特急ライラックとして生まれ変わり。現在も活躍中です
こちらは485系の特急白鳥です、背景に雪が降ってたり降ってなかったりするのは訪れた季節の違いによるものです。485系はJR北海道から引退してしまいましたが、このカラーリングは現役の特急スーパー北斗261系車両に受け継がれています
特急白鳥の他にも快速海峡、最後の定期急行はまなす、寝台特急あけぼの、北斗星、カシオペア、トワイライトエクスプレスなどが近年まで運行していましたが、時代の波には逆らえず次々と廃止となり、ずいぶん寂しくなってしまいました
ひらがなの「あおもり駅」が胸にしみる青森駅です。青函連絡船があった頃は港へのアクセスを容易にする必要があったため、市街地からやや離れた海のすぐそばに立地しています。このあたりの事情は宇高連絡線があった高松駅に似ていますね
津軽焼干しラーメンはラーメンの純文学だ
※この画像は外ヶ浜町公式ブログ様よりお借りしています
それでは管理人Pの大好物、青森の焼干し(やきぼし)ラーメンを食べに行きましょう。焼干しとはイワシを干してから炭火の遠赤外線で焼いて乾燥させたもので、青森ではラーメンのスープのみならず蕎麦や味噌汁の出汁など広く使われています
製法からなんとなく煮干と似たものと思われがちですが、炭であぶることにより煮干にありがちなえぐ味や生臭さが消え、実に上品な深い味わいを醸(かも)し出します。手間がかかるので値段も煮干の5~10倍はする高級品です
こちらは管理人Pが青森に訪れたら必ず食べに行く五番軒のラーメンとチャーハンです。出てきたものを見て最初は「何の変哲もない地味な醤油ラーメン」だなあという感想を抱きましたが、スープを一口飲んで驚愕しました
豪華な具材やどぎつい大量のアブラで食わせるものが多い最近のラーメンとは完全に逆行する、アブラ一つ浮いていない澄んだスープと素朴な具のひたすら地味なラーメンですが、これが本当にしみじみとうまい。
余計な装飾をそぎ落とした末の洗練とも評すべき滋味掬(きく)すべき味わい、これぞラーメンの原点、ラーメン純文学だ!と一瞬で津軽焼干しラーメンの虜となった瞬間でした 。店主はいつ行っても競馬中継見ながら適当に鍋振ってるように見えますが、ラーメンだけでなくチャーハンもおいしくてボリューム満点なのでおすすめです。私はうまければ接客なんてどうでもいい
「五番軒」予算:~1000円 アクセス:青森駅から徒歩5分 営業時間;11時~22時 木曜定休
お次はこれまた正統派津軽焼干しラーメンのくどうラーメンさんです。3月なのに外は雪が降ってたので店内との温度差でレンズが曇ってます(笑)朝早くから営業してくれているので朝食代わりにもってこいです
青森では朝にラーメンを食べる習慣があると聞き最初は驚きましたが、確かにこのあっさりしつつも力強い焼干しスープなら朝から食べられますね。青森など北東北地方のラーメンは具に麩が入っていることが特徴で、海峡を隔てた函館でもラーメンに麩が入ってることが多いです。スポンジのようにスープを吸い込んだ麩を噛むとじゅわっと出てくるダシが口中に広がり、えもいわれぬ幸せな食感です
「くどうラーメン」予算:~1000円 青森駅から徒歩5分 営業時間:8時~16時 木曜定休
次は進化系青森ラーメンの代表格、長尾中華そばです。青森駅に店舗が隣接しており、朝早くから営業している列車に乗る前に一杯、なんていう使い方もできそうです
青森進化系ラーメンは、濃厚な煮干のスープが特徴で、昔ながらの焼干しラーメンの製法を踏襲しつつ、より過激にチューンナップしたものです。まったくの新機軸ではなく基本の焼干しラーメンを土台に過去と現在と未来をつなげて正統進化させる姿勢に青森ラーメンの伝統への敬意が感じられますね
スープを一口飲むと煮干の香りが口中一杯に広がりますが、そこまで食べづらい印象は無く、アブラもきつくないので意外とスイスイおなかに収まります。ライス無料なのもうれしいですね
「長尾中華そば 青森駅前店」予算:~1000円 青森駅から徒歩すぐ 営業時間:7時~21時 月曜定休(月曜が祝日の場合は火曜休み)
青森駅に隣接する立ち食いそばの「そば処八甲田」です。こちらはラーメンではありませんが、蕎麦のダシにきちんと焼干しの風味がするので紹介しておきます。よくあるタイプの駅そばの店ですが、あらゆるダシに焼干しを使う青森ならではの独特な味わいのツユ、駅そばファンは必食です
「そば処八甲田 東口改札外店」予算:~1000円 青森駅から徒歩すぐ 営業時間:6時~20時 定休日無し
最後に紹介するのは青森駅から遠く、クルマなどが無いとなかなか行けない場所ですが、青森進化系ラーメンの究極系ともうわさされる「麺や絶豚(ゼットン)」です、スポーツの強豪校・青森山田高校の近くにあります
なんでクルマを持ってない乗り鉄の自分がここにたどり着けたかといいますと、当ブログでも攻略記事を書いている餓狼伝説スペシャルという格闘ゲームの縁で知り合った青森のプレイヤー、それみさんと邪(よこしま)さんにクルマで連れて行っていただけたからなんですね、急な訪問にかかわらずこころよく迎えに来ていただき本当にありがとうございました、青森の人は優しい!
それみさんが注文していた炙りチャーシューラーメンです。目の前で炙ってくれる演出が楽しいです
こちらは邪さんが注文していたつけ麺です。泡立った煮干スープが邪悪な雰囲気であやしくおいしそうです
こちらは私が注文したデス煮干ラーメンです、チャーシューは邪さんが注文して上乗せしてくれました、ご親切本当に痛み入ります。せっかくなので一番過激なデス煮干ラーメンにしてみましたが、食べづらさは全く無く煮干のうまさが引き立ったおいしいラーメンでした
「麺やゼットン」予算:~1000円 青森駅の隣の筒井駅から約2キロ、青森山田中学高校前バス停からすぐ 営業時間:11時~22時 定休日無し
こちらは別れ際にそれみさんから頂いた青森ご当地グルメの数々です、焼きそばバゴーン、シャイニーアップルジュースのねぶた缶、くどうパンのイギリストーストとチョコスプレー、ラグノオのりんごスティック・・・感謝感激でことばもありません。お二人とも関西にお越しの際はおもてなし致しますので是非お知らせくださいね!
津軽海峡フェリーに乗車し、往時の青函連絡船をしのぶ
こちらは青森駅からすぐ近くの海に繋留されている青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸です、今日は青函連絡船の衣鉢を継ぐ津軽海峡フェリーで函館まで往復して、往時の雰囲気をしのぼうと思います
青森駅から津軽海峡フェリー乗り場までのバスです。青函連絡船時代と違い徒歩でのアクセスはかなりの距離があるので、バスかタクシーでのアクセスが無難です
フェリーターミナルまでの道中にある北のまほろば歴史館です。司馬遼太郎ファンとしては是非立ち寄りたいところですが、残念ながら船の時間に間に合いそうに無いので今回は断念
バスに揺られること20分ほどで津軽海峡フェリーターミナルに到着です
アニオタの管理人Pはスズキいじりがひどい某バイクアニメのシーンを思い出して静かに感動していたのでした。じーん
これから乗船するブルーハピネス号です。津軽海峡の荒波をこえるだけあってかなり大きい!おだやかな瀬戸内海の小型フェリーを見慣れた管理人Pには驚きのサイズです
こちらは乗船券。あらかじめWEBで24時間前までに乗船予約をしておけば運賃が10%オフになります
フェリーといえばこの雑魚寝部屋と四角い枕ですよね!ちょっとわかりずらいですが、下駄箱のところにコンセントがあるので充電もできます
船内を散策、フェリーの自販機は街中にあるものと違って一風変わった品揃えなのが面白い。記念メダル販売機もしっかりあります(笑)
荷物を置いて、プロムナードに置かれた座席で海を眺めつつお茶としゃれこみましょう
それみさんから頂いた青森県民のソウルフード、イギリストーストにかぶりつきます。砂糖のジャミジャミ感と大量のマーガリンの糖尿まっしぐらコンビが背徳的なまでにうまい!糖尿なんて怖くないや歳取る前に死んでやる!(ごめん、既にいい歳こいたおっさんでした)
こちらもくどうパンのチョコスプレー、ドーナツ食いすぎて早死にしたエルビス・プレスリーがこれを知ったらきっと青森移住を決意したことでしょう。サディスティックなまでに降りかけられた大量のチョコとドーナツのカロリーモンスター。甘党なら黙って食え
ちなみにくどうパンといいくどうラーメンといい、青森には工藤さんという苗字が多いそうで、たいていクラスに3~4人くらいは工藤さんが居るそうです
竜飛岬が見えます。3月下旬なのに雪で真っ白。北国の春は遠い
3時間40分の航海の末、無事函館港に到着です、そしてまたすぐ青森にとんぼ返りという・・・フェリー乗りたいだけなのでいいんですけどね。昔の青函連絡船時代をしのぶにはちと乗り心地よすぎる船だったかなという謎の不満を抱えつつ青森に戻ります
お約束のシーンを・・・
北海道新幹線で青函トンネルを越え、函館へ
というわけでフェリーで函館に行きましたが、これは乗り鉄ブログなのであらためて青森に戻って鉄道で函館に向かいます。5:41弘前行き普通列車に乗って新青森駅へ
新青森駅で北海道新幹線に乗り換え、待合室前のねぶたのミニチュアがよくできていますね
エスカレータに乗ってホームに向かうと壁面にド迫力のねぶたの絵とともに「またのお越しを、お待ちしております」のメッセージが。移動しながらこの絵をフレームに収めるのが難しく、何回も何回もカメラを構えてエスカレータを昇降していた私はかなり怪しい人物に見えたことでしょう
あらーE5系か、せっかくだからH5系に乗りたかった・・・
よく旅先でテンション上がってわけわからんもの買って後で後悔する頭悪い人っているじゃないですか、いやまあ自分のことなんですけど。北海道新幹線開通前にスーパー北斗の車内販売で買ったH5系のUSBメモリ、車体部分が大きすぎて差さらないので現在私の机の上のアクセサリとして静態保存しています
新青森始発新函館北斗行き(駅名長い・・・)はやて91号に乗車。これはまあ半分送り込み輸送のようなものなので車内は気持ちいいほどガラガラです。やったね座席移動し放題だ
北海道新幹線の一大イベント、青函トンネル突入の瞬間です。突入前に大小10個以上のトンネルを通過してフェイントをかけてくるので気が抜けません。勘のいい方はおわかりでしょうが(座席の位置と号車が違う)実は突入の瞬間に電光掲示板にピントが合わず後日乗り直して撮りなおしてます
青函トンネルは一旦突入すると40分近くもぐりっぱなしなのでなかなか退屈だったり・・・吉岡定点と竜飛定点を探したり、スーパーロングレールの静かな走行音に感心したり、プロジェクトXのテーマを脳内再生して工事の苦労に思いをいたしたりして時間をつぶしましょう
新函館北斗駅(長い駅名)に到着、でもまだまだここから函館までオールロングシートのはこだてライナーで20分以上揺られなければなりません。特急白鳥の時代は乗り換えなかったのにある意味不便になってしまいましたね。というわけで次回のぶらり途中下車のススメ、函館駅編につづきます
「青森駅」私的評価(10点満点)
補足説明
駅への到達難易度:近隣の空港・大都市・新幹線駅からのアクセス
駅の雰囲気・設備:駅の利便性や駅舎の歴史的価値、芸術性など
駅周辺の利便性:駅から繁華街までのアクセス、駅周辺の商店やホテルの充実度など
グルメ:その土地ならではのグルメの充実度、レストランの数、選択肢の多さなど
自然:駅周辺の自然環境
駅への到達難易度:☆☆☆☆☆☆(6点)
北海道新幹線開通で直通の特急や夜行列車が減り、以前に比べるとアクセスが難しくなった。新幹線駅の新青森駅から1駅の距離だが乗り換えがわずらわしい。ちなみにこの区間は特例で特急列車やリゾートしらかみなどの優等列車に追加運賃無しで乗れる
駅の雰囲気・設備:☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9点)
青函連絡船接続駅だったころの名残が駅の内外に多数見られ、旅情をかき立てる。日本一演歌が似合う駅
駅周辺の利便性:☆☆☆☆☆☆☆(7点)
それなりに栄えているが駅から町の中心部にはやや距離がある。ホテルやレストランは多いので旅人にとって困ることは無い
グルメ:☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9点)
焼干しラーメンはラーメンの純文学だ!(2回目)
自然:☆☆☆☆☆(5点)
海のすぐそばに駅があるので気軽に散策がてら海を見に行ける。青函連絡記念船の八甲田丸の見学もおすすめ
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