乗り鉄Pの日本全国ぶらり途中下車のススメその13「北海道・函館駅」 駅周辺観光、グルメ、旅行記ブログ 「函館と言えば夜景?朝市?いやいやそれだけじゃない函館の知られざる魅力に迫ります」

もくじ

函館駅に到着。4面8線の威厳あるホームに旅立ちの鐘が響く

北海道らしくない?函館の街の形

イカすカードで函館市電に乗り、函館山へ

魅惑の函館グルメの数々。実は安くてうまいB級グルメの宝庫、函館

函館観光の穴場!函館市北洋資料館へ

「函館駅」私的評価

函館駅に到着。4面8線の威厳あるホームに旅立ちの鐘が響く

雪の函館駅に到着です。JRには珍しい頭端式ホーム4面8線の広大な構内に右から第3セクターの道南いさりび鉄道、森行き普通列車、新函館行きはこだてライナー、札幌行き特急スーパー北斗がずらりと並ぶ様子は壮観です

北海道新幹線開通以前は右端の1番線に津軽海峡線の普通列車、左端の8番線に津軽海峡線の特急白鳥が入り、5列車が並ぶホームには北海道の玄関口としての旅情と威厳が今以上に濃くただよっていました

789系スーパー白鳥と281系スーパー北斗の揃い踏みが見られたのも今は昔、といっても2015年までは見られたんですけどね

エントランスから見る函館本線0キロポストです。函館駅は函館本線の起点(終点は旭川)道内の旅の始まりを予感させてくれます

函館駅8番ホームです。現在は各ホームを有効に使いきるほど長い編成の車両が入線することもなくなりこの長いホームもややもてあまし気味ですが、かつては青函連絡船から乗り継いで旭川・網走・釧路など道内各地に向かう長大編成の特急・急行がここ函館駅から次々に発車していきました

現在は空路の発展とともに札幌駅(南千歳駅)が道内の特急網の中心となっていますが、この広大な敷地と長い長いホームにかつて道内鉄道交通の中心駅であった函館駅の栄光がしのばれます

旅立ちの鐘

ちなみに函館駅には道内の駅で唯一発車メロディが存在します。昼間の特急列車発車時に鳴らされるもので、異国情緒あふれる函館のモダンさと旅情をイメージさせる曲として発車メロディファンにとても評価の高い曲です

北海道らしくない?函館の街の形

函館に着いて最初に感じたのは「なんか斜めの道が多いな・・・」ということでした

北海道の他の都市は基本的に京都の街並みを参考に作られ、平安京の朱雀大路に当たる大通りが駅前から一直線にドーンと伸び、そこから碁盤の目のように道路が枝分かれしているのが特徴なので(番地も北○条西○丁目などの表記が多い)、京都在住の管理人Pにとってはなじみやすいのですが、函館はどうも勝手が違って何度も迷いそうになりました

函館は早くから街が形成されたことと、狭い半島に位置することから独特のカーブや斜めの道が多い構造になったものと思われます。地図などで北海道の他の都市と比較してみると違いがよくわかります

イカすカードで函館市電に乗り、函館山へ

駅前のバスターミナルで市電専用の一日乗車券を購入しました。やや終電が早いのがネックですが、函館観光にはこの市電がとても便利です。利用する日時のところをくりぬいて降車時に運転手さんに見せましょう

ちなみにこの一日乗車券の名前は函館名物のイカにちなんで「ICAS(イカす)カード」といいます。うーんお役所が考える鉄道がらみの名前って越後トキめき鉄道とかあいの風とやまライナーとか、どれもこれもセンスが・・・

函館市電710系です。函館市電は車齢が50年をこすレトロなタイプから最新の超低床式車両まで新旧さまざまな車両が走っています。やはり観光地にはチンチン電車が似合いますね。鹿児島、長崎、広島、松山、鎌倉、函館、札幌・・・市電が走っているだけで街としての格が上がる気がします。特に京都(嵐電と叡電はありますが)と金沢に市電が残っていればさぞ街並みに映えるだろうなあ、と残念に思わざるをえません

十字街停留所で下車しました。わかりづらいですが右端に映っているのは日本最古といわれる市電の操車塔です。街灯がオレンジ色の電球色なのは夜景を意識してのこととか

せっかく函館に来たので夜景を見に行きましょう。ついでに函館山付近のスポットを巡ることにします。こちらはCMなどでよく使われる八幡坂ですね。函館湾に浮かんでいる青函連絡船メモリアルシップ摩周丸が見えます

函館山付近の坂はどれもかなりの急勾配なので、特に路面が凍結している冬の時期にはかなり歩くのが大変です。明治時代に火災で市街地が焼失することがよくあり、防火帯として道路を広く直線的に取ったためこのような急坂になったそうです

ライトアップされたカトリック元町教会です。函館は1853年の日米修好通商条約で開港した五港(ほかに長崎、神戸、横浜、新潟)のひとつで、開港によって訪れたフランス人宣教師が1861年にこの土地に教会を建てました。その後なんども火災で焼失し、この建物は大正13年に再建されたものです。フランスらしいなんともメルヘンチックな教会です

こちらはイギリス聖公会の聖ヨハネ教会です。明治7年に建てられた北海道でもっとも歴史の古い教会のひとつで、現在のものは昭和54年に建て直されました。英国式のモダンな建築が目をひきます

残念ながら写真におさめそこねましたが近くには函館ハリストス正教会の日本最古のロシア式聖堂もあり私は「テトリスの背景みたいだ」とゲーム脳らしい感想を抱きました。それぞれの国の建築様式の違いを見るだけでも楽しいですね

というわけでお約束の函館山からの夜景をどうぞ。展望台は常ににぎわっており、カップルが必要以上に接近してイチャイチャしてるので私のようなぼっち旅行者には場違い感がすごいですが、ベタな観光スポットとはいえやはり一見の価値はあります

魅惑の函館グルメの数々。実は安くてうまいB級グルメの宝庫 、函館

ここからは函館グルメを紹介していきましょう、といっても牛丼に生卵付けるか付けないかで10分くらい真剣に悩む私なので1,000円以下のB級グルメばかりです

まずはどこの機関が選定しているのかイマイチよくわからないご当地バーガー日本一受賞のラッキーピエロです。略称は「ラキピ」または「ラッピ」どう呼ぶかで函館の高校生を中心にたびたび神学論争が起こるそうな

ラッキーピエロ五稜郭公園前店」予算:1000円以内 営業時間:10:00~翌0:30(土曜は1:30まで営業) 定休日:無し

イカのぽっぽ焼き200円(現在販売停止中)
ダブルハンバーグステーキ(ライス付)790円

私のオススメはイカのぽっぽ焼きとダブルハンバーグステーキです。イカは函館名物だけあってさすがに鮮度抜群、ハンバーグはお肉もさることながら上にかかってるクリームチーズソースが絶品です、ボリュームも満点!

いやいや、なんでハンバーガー屋さんでイカのぽっぽ焼きとかハンバーグステーキ定食食べてるの?おかしいでしょ?と疑問に思われる向きもあるかと思いますが、ラッキーピエロは店内にあるチラシやおすすめメニューを見ればわかるとおり、ハンバーガー以外のメニューがやたら充実しているんですね

ピザ、シェイク、ハンバーグあたりはまだなんとなく理解できるんですが、カレー、かつ丼、ケーキ、イカ焼き、ラーメンに至ってはもはやハンバーガ屋としてのアイデンティティを問いたくなってきます。でもどれもうまいので誰も文句言わないうちにお店が自由な発想でメニューを展開していった、というのが真相のようです

ちなみにハンバーガーの一番人気メニューも王道のハンバーガーではなくチャイニーズチキンバーガーであることからもラキピ(ここでラッピ派ブチギレ)のユニークさがみてとれますね

お次はラッキーピエロと函館B級グルメのツートップとうたわれるハセガワストアのやきとり弁当です。ちなみにアジア最強のツートップといえばイランのアリ・ダエイとコダダト・アジジ。古すぎて若い人にはさっぱりわかりませんね、ごめんなさい

「ハセガワストア ベイエリア店」予算;1,000円以内 営業時間:7:00~22:00定休日:無し

こちらはお店のチラシに「ハセストのやき弁」と書いてあるように、呼称が定着しているので「ラキピ」「ラッピ」のような呼び方の違いから

「おめ、ラキピラキピってへくさいべや」

「やんや!何がへくさいのさ!ラッピのほうがはんかくさいしょ!」

「わりかった、気分直してけれ、おめのこと好きだべさ」

「本当け?」

「本当さ」

「・・・」

「・・・」

「ブチュッ」

などと、結局最後には仲直りする面倒くさい恋人同士のケンカが起きることはないようです

やきとり弁当大・塩600円
やきとり弁当大・スパイスと単品串

道外からの観光客で初めてやきとり弁当を食べた方は「あれ?これって焼き鳥?」と思うかもしれませんが、ハセストのやき弁はけっして「焼き鳥弁当」ではなく「やきとり弁当」なので、食肉偽装詐欺じゃないかとお店にクレームを入れるのはやめましょう

容器に溝がついているのでここに串を押し付けて上から蓋を重ねて抜くのがツウの食べ方です

お次はラッキーピエロ、やきとり弁当と函館B級グルメ三羽ガラスと並び称されるミスタードーナツです

ミスタードーナツ 函館五稜郭ショップ」予算:1,000円以内 営業時間:7:00~22:00 定休日:無

なぜわざわざ全国チェーンのミスドを紹介するのか、と思った方はメニューの値段のところをよく見てください、ちなみにこれは半額セールでもなんでもなく通常時の価格です

函館と隣の北斗市のミスドでは一部の定番商品が64円~の安値で売られています、理由としてはもともと価格検証の社会実験で始めたものを、オーナーの心意気で低価格据え置きのまま販売しているとのこと。うーむ天国のエルヴィスに教えてやりたい

ちなみにこの店舗、他のミスドと同じく1,200円のドーナツビュッフェを開催しています。ただでさえ元を取るのがむずかしいといわれるミスド食べ放題ですが、函館のミスドで元を取るには何個食べないといけないんでしょうね、物好きな方とフードファイターは是非挑戦してみてください

塩ラーメン600円

お次はラッキーピエロ、やきとり弁当、ミスタードーナツと函館B級グルメ四天王の一角を構成する函館ラーメンです。世間の知名度的にはこれが一番有名かもしれませんね

函館ラーメンといえば塩、塩ラーメンといえば函館というくらい有名なラーメンですが、函館市民にとってラーメンといえばこの澄んだスープが当たり前なので特に塩ラーメンとは言わず「ラーメン」と呼ぶそうです

写真のラーメンは残念ながら閉店してしまった五稜郭近くのしお家のラーメン、管理人Pはここのラーメンが一番好きでした。こして画像みるだけで脳裏に味がよみがえってくるほどです、うーん惜しい

もう一店舗函館駅前の「しなの」の塩ラーメンも紹介しておきましょう。王道のあっさりした函館塩ラーメンを求める方には不向きですが、アブラの味が濃厚なこってりとしたニューウェーブの函館ラーメンを食べたい方におすすめです。青森の焼干しラーメンと同じく具に麩が入ってるのも函館ラーメンの特徴です

「はこだて塩らーめん しなの」予算1,000円以内 営業時間:11:30~14:30 17:00~24:30 定休日:日曜

チャーハン大盛り950円

最後に函館B級グルメのご、ご、ゴレンジャー(すんません他に思いつかない)のひとつとして知られるお腹ペコリン大食いの方におすすめのデカ盛り店「なかみち食堂」です(のちほど五指に入る、五虎大将軍などがあるとご指摘頂く、みんなかしこい!)

普通盛りでもじゅうぶん大盛りですが、300円追加して大盛りにすると圧倒的な量になります。デカ盛り店にありがちな大味ではなくきちんとおいしいので大食いでない方にもオススメです。大盛りにする場合は興味本位でなく食べきる自信と覚悟がある方のみでお願いします

「なかみち食堂」予算:1,000円以内 営業時間;10:30~17:30(ご飯が無くなり次第終了) 定休日:火曜

函館観光の穴場!函館市北洋資料館へ

最後にちょっとユニークな函館の観光スポット「函館市北洋資料館」をご紹介します。有名な史跡の五稜郭のすぐ近くにあるのでついでに訪れてみてはいかがでしょうか

入館料はたったの100円、館内の写真撮影も自由というのがうれしいですね

入り口に並ぶアザラシ、トド、アシカなどの剥製です。アザラシの仲間って身体はこんなに大きいのにどことなく顔が犬っぽいので怖いというよりかわいいと思ってしまいます。おなじ哺乳類なので先祖をたどれば意外と近い関係にあるのかな?と想像してみたり

サケ・カニなどの加工品や缶詰で有名なマルハニチロのコーナーです。かつては「日魯漁業株式会社」と名乗っていました

「魯」という文字には「毎日魚が捕れるように」という願いが込められているそうです。なぜニチロのコーナーが公営施設にあるかということについては函館市民会館大ホールの緞帳を寄贈しているあたりからお察しということで

ニチロコーナーには北洋漁業の船内を模した体験施設があります、中に入ってみましょう

スイッチを押すと真っ暗になり映像が流れ、船室が前後にゆらゆら大きく揺れるアトラクションが始まります

荒れた冬の北洋航海の映像を見ていると、部屋の暗さと相俟って、借金抱えて首が回らなくなり負債を返すために蟹工船で働く多重債務者の気分にどんどんなってきます

ちなみにこのアトラクション、本当に船酔いするので乗り物酔いしやすい方は注意が必要です

個人的に一番面白かったのはこちらの昔の漁具コーナー。縄文時代の遺跡から発掘された漁具を展示してあります

材料は骨や木ですが、釣り針の形は現在のものとほとんど変わりません。この形だと針本体より針先が軽いので、重心の関係からどの方向から魚がエサに食いついても針が回転して魚の上唇に引っかかるそうです。釣り針の形は縄文時代にすでに完成されていたのですね

釣り針の先が取れても針を再利用できる工夫です。これなどは現代とくらべ資源の調達が大変だった縄文時代ならではの工夫ですね。エコマーク付けてあげたい

そしてこちらが、ジャーン!縄文時代のハイテク漁具、「回転式離頭銛(アイヌ語ではキテと呼ぶ)」です

見た目ではしくみがよく分からないと思いますが、銛の先端に付けて獲物を突き刺すと鏃(やじり)部分が体内に残り、つながった紐を引くことで鏃が獲物の体内で回転して抜けなくなります。獲物が弱った頃合を見て紐をたぐりよせ回収します

この原理は現在の捕鯨用銛にも活かされており、大変すぐれた発想の仕組みです。アイヌだけでなくエスキモーなど北極圏に住む民族に共通して見られる伝統漁具で、古代から既に世界的な広さの文化的つながりがあったことが分かります

名工が作る日本刀や銃などが本来の武器としての目的以外にある種美術品としての価値を認められるように、この回転式離頭銛も一見しゃれたアクセサリーのような美を感じます

「道具は用途に合った形を追求すると必然的に美しい形になる」と言いますが、それは縄文の道具であっても同じことなのですね

函館市北洋資料館」入館料:一般100円、学生・児童50円(団体割引あり) 開館時間と休館日はHP参照のこと 

「函館駅」私的評価(10点満点)

補足説明

駅への到達難易度:近隣の空港・大都市・新幹線駅からのアクセス

駅の雰囲気・設備:駅の利便性や駅舎の歴史的価値、芸術性など

駅周辺の利便性:駅から繁華街までのアクセス、駅周辺の商店やホテルの充実度など

グルメ:その土地ならではのグルメの充実度、レストランの数、選択肢の多さなど

自然:駅周辺の自然環境

駅への到達難易度:☆☆☆☆☆☆(6点)

北海道新幹線が開通してから新函館北斗駅での乗り換えが必要となり、直通していた以前に比べて本州から鉄路でのアクセスは不便になった部分もある。連絡列車の733系はこだてライナーもオールロングシートの通勤列車仕様で旅行気分がそがれる

駅の雰囲気・設備:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点)

頭端式ホームなので面倒な上下の移動が無く、バリアフリーの観点からも利便性は高い。函館駅専用の発車メロディーや歴史ある長大なホーム、0キロポストに旅情がかきたてられる

駅周辺の利便性:☆☆☆☆☆☆☆(7点)

函館の繁華街は駅から離れた市電の五稜郭公園前駅周辺。近年駅前の百貨店「棒二森屋」が閉店しさらに駅前が寂しくなった。観光スポットの朝市は駅からすぐ近くの場所にあるが、高くて客引きの声かけもうるさいので個人的にはイマイチだった。八戸駅の記事で紹介した八食センターを見習って欲しい

グルメ:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点)

お寿司やイカソーメン、がごめ昆布など高級品ももちろん、B級グルメがこれほど充実している街はめずらしい。文句なしの10点

自然:☆☆☆☆☆(5点)

北海道らしい雄大な大自然とはいかないが、海のすぐそばにあるので港町らしい景色には出会える。八幡坂や商業施設の整ったベイエリア、函館山からの景色が特に良い

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