乗り鉄Pの日本全国ぶらり途中下車のススメその4「青森県・鮫駅~種差海岸駅」駅周辺観光、グルメ、旅行記ブログ「うみねこの島~種差海岸天然芝生地、リアス式海岸沿いを快適サイクリング」

鮫駅~種差海岸駅私的評価へ飛ぶ

八戸駅から八戸線に乗って鮫駅を目指します。日中はご覧の通りかなり本数が限られるので乗り過ごしてしまうと大変です

キハ40非冷房車のサボ(行先票)です、差し替え式で実に味があります。キハ40は2018年のダイヤ改正にて後継のキハE130に置き換えられ、姿を消してしまいました

ゴトゴト30分ほど揺られて鮫駅に到着しました。ひらがなの「さめ」という表記は妙に愛嬌があります。とってもユニークな駅名ですが、魚の「鮫」とはどうやら無関係なようで「沢」が訛って当て字として「鮫」という駅名になったそうです

駅前にかざられている鮫のオブジェです。昨今のゆるキャラブームでかわいくアニメ調にデフォルメしてマスコットキャラにしそうなものですが、こちらはかなりリアルな鮫のオブジェです。子どもが間近で見たら怖くて泣き出してしまいそうです

観光周遊バスのうみねこ号がやってきました。鮫駅と種差海岸駅の間をたった100円で乗ることができます、鉄道でやってきた観光客にはありがたいサービスですね。前回の記事に登場した八食100円バスもそうですが、観光客の目線に立った八戸市の観光促進政策には頭が下がります

うみねこ号」通常時期(2019年は4/1~11/10)は毎日運行、冬季(11/16~3/29)は土日祝日のみ運行。運行スケジュールと時刻はHPを参照ください

しかしながら今回はうみねこ号には乗らず、レンタサイクルを利用して鮫駅から種差海岸を目指すことにしました。やはり自転車のほうが細かく景色や観光スポットを拾うには便利ですからね、バス以外でもいろんな選択肢があるのはありがたいです。この付近のサイクリングロードは海岸沿いのアップダウンの激しい道ですが電動自転車で坂道もラクラク!

種差海岸らくらくサイクル」貸出期間:5月~10月末日まで 利用時間:9時~17時 料金:3時間1000円、1日1500円。乗り捨ては+500円 貸出場所:鮫エリア「タカヤ靴店」(第2・第3火曜は定休日) 種差海岸エリア「種差観光協会」

鮫駅からまっすぐに種差海岸を目指さず、本八戸方面に進んで陸奥湊駅前市場にやってきました。昼前なのでやや閑散としていますが、こちらの朝市は大変活気があり、八戸市民の台所として生活に密着した存在です。時間があればここで市場見学がてらランチでもしていきたいところですが、今回は種差海岸駅に3時間後にやってくる久慈行き列車に乗る予定なので泣く泣く断念、次こそは・・・!

港湾沿いの道を蕪島方面に進みます。八戸市は天然の良港を有し、漁業のみならず北東北地方で屈指の工業都市として重要な役割を担っています。管理人Pは自然が大好きですが、こういったプロジェクトX的(?)大型港湾・工業施設にも魂が震えるタイプなので、港付近をうろうろしているだけで心がウキウキしてきます

蕪島(かぶしま)に到着しました。もともとは名前の通り蕪のような形の島でしたが。戦時中に海軍の観測所として利用するために周辺を埋め立てて陸続きになりました

うみねこの繁殖地として有名で、国の天然記念物に指定されています

せっかくなので島に鎮座する蕪島神社を参詣しようと思いましたが、あいにく訪問時期(2017年9月)には工事中で立ち入れず。ざんねんむねん

近くで海を見ていた地元の方にうかがった話では、うみねこがやってくるのは春から7月まで、その時期には島全体がうみねこの姿で真っ白に埋め尽くされるそうです。私が訪れたのはシーズン外の9月でしたが、それでも付近の岩場を見ると、そこかしこでうみねこの姿が確認できます

蕪島を離れ、三陸海岸沿いに南下して種差海岸を目指します。雄大な太平洋とゴツゴツと入り組んだリアス式海岸の景色が左手側に広がり、目を楽しませてくれます

途中の岬にて小休憩。なんだかファンタジーRPGにでも出てきそうな最果て感ただよう風景で実に心がなごみます。時間が許せばここにお弁当とお茶を持ってきてのんびり過ごしたいですね

葦毛崎展望台に到着しました。レンタサイクルを置いて展望台にのぼってみます。看板の木が十字になってるのが妙に気になります、そういえば青森県にはイエス・キリストのお墓があるとか・・・

展望台から太平洋を一望。いい景色ですが個人的には先ほどの岬のほうが俗っぽくなくて好きかなあ・・・ちなみにここ葦毛崎展望台にあるホロンバイルという売店のソフトクリームがなかなか美味しいとか

葦毛崎展望台を離れてさらに南下し、大須賀海岸に到着しました。先ほどからゴツゴツとした岩場のエリアが続いていたのですが、このあたりには砂浜が広がっています

いかにも海水浴に適していそうな浜ですが、このあたりは危険な離岸流が発生するとのことで遊泳禁止の看板が立っていました。それでもちらほらサーファーさんが泳いでいましたけどねw泳ぐ場合は自己責任でどうぞ

種差海岸天然芝生地に到着しました、鮫駅からここまで距離にして12キロほど、のんびり自転車をこいで約2時間といったところでしょうか。鮮やかな緑の芝生が一面に広がっています。ちょっと信じられないですがこれは全て天然の芝生です!

まるできれいに手入れされたゴルフ場のグリーンのような鮮やかな芝生がどこまでも広がっています

種差(たねさし)海岸の名前はアイヌ語の「タンネ・エサシ(長い岬)」に由来しています。東北地方にはアイヌ語由来の地名がかなり多く、青森県内だけでもぱっと思いつくだけで「平内(ひらない)」「野内(のない)」「三内(さんない)」「撫牛子(ないじょうし)」などのアイヌ語地名があります。「ナイ」はアイヌ語で「沢・川」を意味する地名です、北海道にお住まいの方ならピンとくるでしょうが、特にありふれたアイヌ語由来の地名ですね

東北地方は弥生式稲作文化をうけいれず、縄文式狩猟・採集生活を続けるひとびとが暮らせる豊かな土地でした、残された地名から察するにアイヌとのつながりも深かったと思われます。弥生式稲作文化を中心とする時の中央政権からは蝦夷(エミシ)とさげすまれた彼らですが、日本は稲作農耕民族だけの土地では無く、多種多様な生活様式のひとびとが築いた国であることを忘れてはなりません

米を作ることが文化的に進んでいるという日本人特有の潜在的弥生式価値観が、本来熱帯性植物で寒冷地の栽培に適していないコメを品種改良に品種改良を重ねさせ、今では東北・北海道は日本有数の米どころとなりました、歴史の皮肉ですね

司馬遼太郎が「宇宙人がやってきたら地球にもこんないいところがあるんだぞ、と是非この場所に案内してあげたい」とユニークな表現で称えた種差海岸、本当に素晴らしい場所です

種差観光協会にレンタサイクルを返し、種差海岸駅に徒歩で到着。観光協会という名前からそれらしき建物を探したのですが、普通の雑貨品をあつかっているような商店が兼業でやっているような雰囲気でなかなか気づきませんでしたw観光地の駅らしい明るいカラーリングの駅舎です

列車がやってきたので、次の目的地、久慈方面にむかいます

「鮫駅~種差海岸駅私的評価」(10点満点)

補足説明

駅への到達難易度:近隣の空港・大都市・新幹線駅からのアクセス

駅の雰囲気・設備:駅の利便性や駅舎の歴史的価値、芸術性など

駅周辺の利便性:駅から繁華街までのアクセス、駅周辺の商店やホテルの充実度など

グルメ:その土地ならではのグルメの充実度、レストランの数、選択肢の多さなど

自然:駅周辺の自然環境

駅への到達難易度:☆☆☆☆☆☆☆(7点)

新幹線停車駅の八戸駅からの距離は近いが、日中の本数がかなり限られるので乗り継ぎには注意が必要

駅の雰囲気・設備:☆☆☆☆(4点)

鮫駅は2面3線の有人駅、種差海岸駅は1面1線の無人駅。鮫駅前の鮫のオブジェはホラー映画的でかなり怖いが一見の価値あり

駅周辺の利便性:☆☆☆(3点)

鮫駅周辺にはコンビニなど気軽に買い物できる商店は存在しない。種差海岸駅付近にはそれなりに食堂やホテルがある

グルメ:☆☆☆(3点)

種差海岸駅周辺食堂の磯ラーメンはひそかな名物。選択肢の少なさでこの評価

自然:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点)

リアス式三陸海岸から望む太平洋の風景、蕪島のうみねこ、まるで全英オープン開催地のスコットランドのゴルフコースのような風景が楽しめる種差海岸、どれも素晴らしい

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