乗り鉄Pの日本全国ぶらり途中下車のススメその8「北海道・美唄駅」駅周辺観光、グルメ、旅行記ブログ「炭鉱の町美唄で日本7大焼き鳥のひとつ、美唄やきとりを賞味」

美唄駅私的評価へ飛ぶ

美唄に残る昭和の炭鉱華やかなりし時代の味を求めて

函館本線美唄(びばい)駅です、美唄は札幌と旭川のほぼ中間、やや札幌寄りに位置しています

美唄の地名はアイヌ語の「ピパオイ(カラス貝が沢山とれるところ)」に由来し、その名の通り石狩川の河跡池・沼(流れが変わって池や沼になった場所)が市内各地に点在します

かつては「沼貝」と呼ばれていましたが、やはり今の市名のほうが字面も音の響きもいいですね

駅前ロータリーの交番です、真冬に訪れたのでなかば建物が雪に埋もれてしまっています

駅前ロータリーを出て国道12号線沿いを左に進みます

美唄は道内有数の豪雪地帯、冬は国道沿いの歩道脇には除雪車が道路から排除した雪が山のように積みあげられます

自分のような雪にあまり縁のない土地からやってきた旅行者にとってはなかなか見られない珍しい景色で、
ちょっと黒部立山のアルペンルートを歩いている気分で楽しいのですが、地元の方にとってはどうでしょう

これだけ積もると雪かきが大変だと思います。観光客は身勝手に雪景色にロマンを抱きますが、雪国の人は総じて雪にあまりよいイメージが無いみたいですね

ちょっと話が脱線しますけど、日本では「白」という字は「潔白」「純白」「白星」などと良いイメージのことばに使われる色ですね

北海道以上に寒いロシアでは、日本と対照的に雪を連想させる白は悪いイメージの色で、太陽を連想させる赤が良いイメージの色なんだとか

かつての共産ソヴィエトが赤をイメージカラーとし、敵対する体制側を白と呼んでましたね、今でも権力側による暴力行為を白色テロと呼ぶのはここに由来しています

雪道を歩くこと15分ほど、「美唄銀座街商店街」とかざりの付いた門のある路に入ります

ここはその名の通り飲食店が軒を連ねる商店街ですが、どちらかというと歓楽街の性格が強い場所ですね

昭和の雰囲気満点の哀愁ただようスナックの看板のネオンが北の旅情をかきたててくれますます

美唄は石狩炭田地帯に位置し、道内有数の採炭地として空前の炭鉱景気に沸いた昭和初期~中期には全国各地から労働者が集りました

しかし石炭から石油へのエネルギー転換の波に逆らえず1970年代には次々に炭鉱が閉山、最盛期には9万人を数えた人口も現在では2万3000人程度まで落ち込んでしまいました

こうして歩いているだけでも駅前の広々とした道路や風格ある商店街に炭鉱華やかなりし時代の情緒がそこかしこに感じられます

商店街を半分くらい行ったあたりにある美唄やきとりの名店「福よし本店」に到着しました、ここが今回の目的地です

美唄名物の「美唄やきとり」は日本7大焼き鳥にも数えられ、近年各メディアで盛んに取り上げられるようになりました

全国各地の他の焼き鳥の名所と比べて、鳥の精肉ではなく内臓(肝、心臓、内卵)をメインに使い、タマネギを挟んだもつ焼きがきわだった特徴ですね

道内では室蘭・函館など、やきとりといいつつ豚バラ串が中心のところが多いので、その意味でも美唄は個性的です

メニュー表です(2016年1月訪問時)

一串90円からという安さ、札幌などの支店では20~30円ほど高くなるのでこれは美唄本店だけの特権ですね

名物のもつ串をいただきます、美唄にきたらこれは外せません

一串が小ぶりなのもあり、いくらでも食べられそうです。実際座敷に上がった地元の方のグループは5人で40本ほど注文して山のように積み上げられたもつ串にかぶりついておられました

塩コショウが多めに振ってあるのでとにかくビールが進む、進む。まさに炭鉱で働く男の味ですね

一日の労働のあとにやきとりで活力を付けてうまい酒を豪快にあおる彼らの姿がまざまざと目に浮かぶようです

持ち帰り客が多いのもこちらの特徴。管理人Pが店内に滞在している間ひっきりなしに電話が鳴り、何十本単位の受け取りに地元のお客さんがやってきておりました、列車の中で食べたい旅人にも持ち帰りは便利ですね

こちらは精肉とハツ(心臓)の串です

精肉もおいしいんだけど、もつ串の味の深さにくらべるとやや単調に感じられてしまいますね。牛や豚でもそうですけど、本当に肉が好きな人は最後には内臓やホルモンに行き着くと思います

ハートは私が一番好きな部位、この弾力あるサクサク感がたまらない

かけ蕎麦です、これにもつ串を突っ込んで締めにいただくのが美唄流

かけ蕎麦の表面に鶏のあぶらが浮いていますが、ダシに鶏を使っているようで、やきとりに調和する味になっています。甘めのツユが鶏肉のうまみを引き立てます

元祖美唄やきとり福よし 美唄本店」営業時間:16時~23時(日曜は22時まで) 定休日:月曜 予算:1,000~2,000円 持ち帰り可

福よしをあとにしましたが、おなかの容量と乗る予定の列車の時間に多少余裕がありましたので、もう一店はしごです

こちらも美唄やきとりの名店「たつみ」さんですね、連戦ということで少量注文で申し訳ないのですがもつ串だけをいただきます

もつ串にはランダムで肉が挟まっているのですが、個人的にはきんかん(鶏の内卵)が入ってるとうれしい

きんかんは黄身を凝縮したような味で、ホクホクした歯ざわりとともに他ではなかなか食べられない珍味です

こちらでも締めのかけ蕎麦をいただきました。さすがにお腹いっぱいですが蕎麦が軽いのでスルスル胃に収まってしまいます

美唄やきとりを堪能した満足感を胸に、雪道を美唄駅まで戻ります

やき鳥 たつみ」営業時間:11時~21時 定休日:火曜日 予算:1,000円~2,000円 持ち帰り可

「美唄駅私的評価」(10点満点)

補足説明

駅への到達難易度:近隣の空港・大都市・新幹線駅からのアクセス

駅の雰囲気・設備:駅の利便性や駅舎の歴史的価値、芸術性など

駅周辺の利便性:駅から繁華街までのアクセス、駅周辺の商店やホテルの充実度など

グルメ:その土地ならではのグルメの充実度、レストランの数、選択肢の多さなど

自然:駅周辺の自然環境

駅への到達難易度:☆☆☆☆(4点)

札幌駅からは特急列車で35分。1時間に1~2本は確保されているが、通過する列車もあるので要注意

駅の雰囲気・設備:☆☆☆☆☆(5点)

2面2線の有人駅。改札はホームの橋上にある。暖房の利いた待合室があるので冬季も安心

駅周辺の利便性:☆☆☆☆☆☆(6点)

駅東口徒歩5分ほどのところに大型スーパーマーケットがある。繁華街の美唄焼き鳥店にも徒歩圏内

グルメ:☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9点)

美唄やきとりは全国的にも珍しいもつ串を主体とする焼き鳥。岩見沢・札幌などにも美唄やきとりのお店はあるが、やはり本場の美唄でいただきたい。有数の糖度を誇る美唄イチゴも有名

自然:☆☆☆(3点)

駅周辺は住宅と国道と商店街で、北海道らしい雄大な自然は望めない

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